食べて解消 口の中のトラブル 口内炎
♥栄養バランスや体調の悪化が原因。「心(しん)」と「脾(ひ)」をよくする食養生を。
毎日の食事は健康維持の基本であり、楽しみでもあります。
けれども、口の中に口内炎や歯肉炎などのトラブルがあると食事も美味しくなく、せっかくの楽しみが失われてしまいます。
そして痛みがあれば、食べることさえ避けたくなってしまいます。
口の中のトラブルは、原因がはっきりしないものの偏った栄養摂取や、
極端な疲労、ストレス、または物理的な刺激や遺伝的要素がからむのではないか、といわれています。
中医学では、口の中のトラブルは「心」と「脾」が関係しているとされています。
栄養バランスに気をつけ、心と脾の働きをよくする食材で、口の中のトラブルを遠ざけましょう。
♠口内炎
中医学では「心は舌につながり、脾(胃腸)は口につながる」とされ、舌と口の中にポツリとできる口内炎は、
「心」と「脾」の熱や、「脾胃」の消化力の減退が引き起こすと考えられています。
誘因とされているのは、酒、タバコや辛い物の食べ過ぎ、便秘、胃腸の働きの弱まり、極端な寝不足、過労などです。
①心・脾の熱による「急性時口内炎」
突然発症する口内炎です。
これは「心熱脾熱(心と脾が熱をもつこと)」が舌と口に炎症を起こし、粘膜が赤く腫れてただれ、痛む状態です。
改善に適した食材は、利尿効果があって熱を取る「利尿清熱」の作用があるもの。
おすすめは「緑豆」で、解熱して熱や炎症を取る働きがあります。
この症状によい主な食材
はすの実の芯、緑豆、緑豆春雨、レンコン、ユリ根、スイカ、キュウリ、ハチミツ、
笹、アロエ、ヘチマ、クチナシ、オオバコ(生薬)、ドクダミ(生薬)、真珠粉(生薬)など。
②脾胃の消化力が減退する「慢性的口内炎」
口内炎を繰り返す人は、脾胃の消化力が低下して、粘膜が弱くなっています。
「玄米」、「麦」、「アワ」などの雑穀類や、
「ニンジン」、「カボチャ」、「ピーマン」などの緑黄色野菜は、
胃腸の働きを助け、粘膜を強化するビタミンB群なども含みます。
この症状によい主な食材
玄米、麦、アワ、うるち米、はと麦、ニンジン、カボチャ、ピーマン、パプリカ、
ユリ根、トマト、ぬか漬け、海藻、ミカン、レモン、茯苓(生薬)、真珠粉(生薬)など。