秋の鮮やかな実り~「柿」と漢方~

日本では縄文・弥生時代の遺跡から種子が出土するほど古くから利用されてきた「柿」。
日本を含めた東アジアで広く栽培され、大別すると渋抜きが必要な「渋柿」と、樹上で甘くなる「甘柿」があります。
「甘柿」は「渋柿」の突然変異とされ、1214年に現在神奈川県川崎市にある王禅寺で偶然発見された「禅寺丸」が
日本最古の「甘柿(不完全)」と伝えられています。
「柿」はその葉や蔕(ヘタ)が薬用として用いられます。
特に蔕(ヘタ)は漢方医学的には気を降ろす働きやしゃっくりを止める効果に優れているとして、
しゃっくりの特効薬「柿蔕湯(していとう)」に配合されています。
ついつい美味しいと食べ過ぎてしまいがちですが、「柿」の食性は「寒」ですので食べ過ぎには注意です。
特に冷え性の方や女性の方は注意が必要です。
「干し柿」の食性は「平」ですので出来たら干し柿を食べると良いでしょう。