漢方薬と膝の痛み

膝が痛くなる原因について漢方の立場から分析すると、まず膝の関節を構成する筋肉、腱、骨、軟骨などが老化によって衰えてきたところ(腎虚)に、主として寒邪(冷え)や湿邪(湿気)と呼ばれる「邪」が侵入することで「気」や「血」の流れが悪くなって「痛み」が発生すると考えます。
また、特に膝の関節については、全身の水分代謝の影響を受けやすい事も特徴の一つです。
よく見られる「膝の痛み」のパターンを挙げると
①水分代謝異常タイプ
普段から胃腸の機能に問題があって、胃がつかえたりしやすく、日頃から車に酔いやすいとか鼻炎気味、
時々胃腸の中を水が動く音が聞こえるという人によく見られます。
このタイプは、根本的には胃腸に問題のある人が、胃腸の水分代謝異常が原因で、体内に不要な「水」をかかえ、
その不要な「水」が膝における「気」や「血」の流れを邪魔して発生するパターンです。
膝に限らず、他の場所でもこの不要な「水」は「気」や「血」の流れを阻害して、痛みを発生させることがあります。
②胃腸虚弱タイプ
もともと胃腸が虚弱で、胃腸の水分代謝機能や栄養代謝機能の低下から、体内に余分な「湿気」や「冷え」をかかえている人が、
環境の冷え(寒邪)の影響を受けて、痛みが発生します。
漢方理論では、体内に「冷え」や「湿気」をかかえていると、環境の「冷え」や「湿気」の影響を受けやすくなるとされており(同気相求)、
痛みが発生しやすいと考えられています。
③汗かきタイプ
のぼせたり、暑くて汗をかくというよりも、普段からチョット動いても汗が「漏れてしまう」という方で、
夕方になると足がむくんだり、疲れやすく、風邪を引きやすかったり、花粉症になりやすい体質の方に多く見られるタイプです。
このタイプは、もともと「気」のエネルギーが不足していて、「気」のエネルギーで体内を流れている「水」の流れが停滞して、
膝における「気」や「血」の流れに影響して痛みが発生します。
④貧血タイプ
閉経後の女性や、痩せていたり、普段から貧血気味で顔に艶がないという方が、
主に湿気の影響を受けて、膝における「気」や「血」の流れが悪化して痛みが生じるというタイプです。
このタイプでは、痛みが結構強いのが特徴です。
変形性膝関節炎と呼ばれるような、膝の関節の変形を伴う場合は、
漢方の考えでは、①~④のパターンの膝の痛みが長期間(一般的には3年以上)続いて、「痰」と呼ばれる病理産物が発生し、
これが更に「気」や「血」の流れを悪くして変形が起こると考えます。
膝の痛みは年齢を重ねるほど悩まれる方が多く、男性よりも女性のほうが多いのも特徴的です。
上記の様な中医学的考えのほかにそもそもの筋肉量の違いがあげられます。
膝は大腿骨と腓骨のつなぎ目にあり腱でつながっています上半身の重さが大腿四頭筋が弱ることで膝に負荷がかかり異常をきたすことで痛みが出ます。よって、筋肉をつけることも重要です。お年を召してくると筋肉量はなかなか増えていきませんが維持することはできますので痛みがないときや痛みが出る前に意識してウォーキングなど運動をすることも重要です。
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