老後を元気に楽しく
腎の発育を良くし、かつ老化にブレーキをかけるためには、一生涯を通じて足腰を鍛えることが大切です。
交通機関の発達、インスタント食品の氾濫した現代社会では、生命力の乏しい人間が多くなる恐れがあります。
最近、町のあちらこちらで、若い学生たちが男女とも道端に座り込んでいる姿をよく見かけます。
私などから見ると、行儀が悪い、みっともないと思うのですが、
高校や大学の先生に聞いてみると、立っていられないから座り込んでいるんだそうです。
これは東洋医学的に考えると、腎の状態が弱体化している現象です。
今、漢方薬の補腎剤が注目されています。
補腎とは何か?
東洋医学でいう腎の一番大切な働きは、人間の生殖・発育・老化に密接に関与していることです。
不妊症、若い男性の精子の減少や奇形、若白髪、介護を要する老人の増加などが社会問題になっていますが、
これは腎の働きが低下している現象なのです。
中医学では、これらの状態を「腎精不足」と考えています。
「腎精=生命力」と考えても良いでしょう。
腎精不足を一般には「腎虚」と称して、
小児アトピー、小児ぜんそく、不妊症、足腰の弱体化、腰痛、若はげ、夜間頻尿、小便失禁、大便失禁、性欲低下など、
小児発育不良、不妊・老化に関する諸症状に、中医学では腎虚の概念で治療します。
東洋薬行「やくこうさんからのひとこと 2月号」より