男性を強くする生薬⑤
♥鹿のやわらかい角「鹿茸(ろくじょう)」は強壮強精剤の王様である
鹿茸(ろくじょう)はシカ科のシカ、アカジカの硬くなる前のやわらかい角を乾燥させたものです。
角は平均して3日で1㎝と、すぐに大きく成長し、その成長振りから精力の強さが想像されたのでしょう。
また、「本草網目(ほんぞうこうもく)」という明の時代の薬物書に「鹿の性質は淫乱である。一匹のオスは常に数匹のメスと交わる」と書かれているほどです。
♥有効成分はパントクリン、気力を高め、体力を強める
唐の時代の医学書「千金方(せんきんほう)」では「人体を強壮にして老いさせず、男女の交わりに疲れることもなく、気力も体力も衰えないようにするには、
トナカイや鹿の角、特に鹿茸に勝るものはない」と言い切っています。
鹿茸の有効成分パントクリンをマウスに大量に与えると血圧を下げ、心拍数を少なくし、末梢血管を拡張しますが、
中くらいの量では、逆に心臟の働きを活発化させ、心拍を速め、血液の流れる量を増やしますので、冷え性、低血圧気味で心臓病の方には効果があります。