尿酸値が少し高いといわれたら①
♠本物の痛風は全身性の病気
尿酸値は下げておかないと怖いことが起こりますよ。
「足の指がすごく痛くなる、あれだろ。痛風とかいう・・。友達にも、そんなヤツいた、いた。でも薬のんだらじきに治ったっていってたけどな」ですって?
それは「アマーイ」考えです。
その友達のように数値が高いだけにとどまらずに本物の痛風にまでなってしまうと、
腎障害、腎結石、高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病、肥満症などをかかえる全身性の病気であるといってもいいくらいなのです。
すでに体は生活習慣病のデパートみたいになってしまっているということです。
そして、この段階では食べ物などを改善しても、数値の改善はなかなか難しいともいわれます。
数値が少し高くて要注意と出たら、今日からでも生活、特に食生活を改めないと。
♠日本人は痛風になりやすい
戦前、痛風は日本人にはほとんどなかったので、日本人は民族的にかかりにくいと思われていたのですが、
それは食物が豊かでなかったためで、実際には、日本人はたいへん痛風になりやすい民族なのです。
そのために戦後食物が豊かになったと同時に日本の痛風患者は急増しました。
現在では、アメリカ人が成人男性1万人に40人、イギリスが成人男性1万人に30人なのに対して、
日本人は成人男性1万人に120~150人という統計が出ています。
日本人の源流といわれている黒潮民族(南太平洋諸島の住民)に多いことは昔からしられていますが、
欧米の人より日本人はかなり痛風になりやすい民族のようです。
その点からも尿酸値に対しては敏感になっていたいですね。
もう一つ、よくいわれているのが、この病気にかかる人は社会的地位の高い人、有名人に多いとか、
美味しいものばかり食べているためのぜいたく病だとか、活動的で楽天的、頑固な性格の持ち主に多いともいわれているのです。
「へえ。じゃ、痛風になるってこと一種の自慢になるんじゃない?」ですって?
冗談ではありません。体こわしてしまったら、自慢にもなんにもなりませんよ。
遺伝的要素もあります。数パーセントだろうとはいわれていますが、
身内に痛風で悩んでいる人がいたら、この数値には敏感でいたいですね。
♠若いときから気をつけたい
かかりやすい民族性や性格や、遺伝的要素があることは確かなのですが、
深刻なことに、今や、この病気はごくありふれた病気といわれるほどの広がりをみせているのです。
食生活の欧風化、肥満、偏食、ストレス、飲酒などが原因とも考えられていますが、全国では50万人以上の人が痛風と診断され、
痛風の予備軍である高尿酸血症の人は、その数倍にも達しているといわれています。
しかも、いまや20代、30代で痛風と診断される人が少なくないのが現実です。
「若いうちから食生活は気をつけなくっちゃ」ですよ。