乳腺症と漢方薬
乳房に境界のはっきりしないしこりが触れ、違和感や痛みを伴い、
特に月経前や月経時に痛みが強くなり、「乳がんでは」とあわてて病院に駆け込む方がいらっしゃいます。
しかし、多くの方々はいろいろな検査のすえに「乳腺症」、あるいは「乳腺異形成」と言われて胸をなでおろすようです。
この乳腺症は卵胞ホルモンが活発すぎるために生じた乳腺増生とで、特に終末部乳管の増生は前癌状態(ガン化する恐れがある)として重視されています。
患者は30代~40代に多くみられますが、更年期の女性では出産経験が少なく、授乳の経験がない方に発生しやすいようです。
西洋医学では、これといった治療法はありません。
東洋医学では、乳房、特に乳頭と深い関わりを持つ「肝」は性ホルモンの調整役で、肝の働きが上手く行われていると性ホルモンのバランスも良く、
反対だと「肝鬱気滞」といって、性ホルモンのバランスが崩れると考えています。
ちなみに、精神的なストレスや不規則な生活は、肝の働きを乱すので、注意が必要です。
東洋医学での乳腺症や乳腺異形成の治療は「気の流れをスムーズにする」「しこりや痛みをとる」作用のある漢方薬をメインにします。
例えば、「逍遙散(しょうようさん)」に「三七人参(さんしちにんじん)」を加えて毎日服用します。
また、この疾患はガン化する危険性がありますので、ご心配な方は日頃から「免疫力を高める漢方薬」の服用をお勧めします。