東洋医学で食養生 陰虚がよくなる食養生
♥平涼寒性の食材で、余分な熱を冷まします
「水(すい)」が不足している陰虚タイプは、体に潤いが足りず、余計な熱がたまった状態にあります。
そこで「平性」「涼性」ときには「寒性」の食材を使って、熱を払って潤いを補充する食事を心掛けます。
のぼせやほてりがあるときは、体を冷ます平涼性の食材をとくに選んで料理します。
中国で体のほてりを鎮める代表的な食材といえば、「スッポン」があげられます。
日本では、生はなかなか入手できませんが、缶詰のスッポンスープが販売されています。
また、スッポンと同様に稀少な「鴨肉」や「アワビ」も熱を冷ましてくれる食材です。
陰虚の人は、ときにはこれらの食材を使った料理で「陰」を養いましょう。
また、キュウリやトマトなどの寒涼性の野菜を生で食べると効果的です。
♥野菜や果物の自然の「甘味」と「酸味」で体を潤します
中国には、「甘酸化陰(かんさんかいん)」すなわち「甘味と酸味を合わせると陰分が湧いてくる」という言葉があります。
この言葉の意を満たす食材が「トマト」、「梨」、「レモン」、「メロン」など。
自然の中で育ったこれらの野菜や果実には、舌にやさしい自然の甘味と酸味が備わり、陰を補い、体を潤す働きがあります。
陰虚の人には、ぜひ積極的にとってほしいものです。
逆に、なるべく避けたい味は「辛味」です。
「唐辛子」、「コショウ」などの香辛料や、「大根」、「ネギ」、「ニンニク」などの辛み野菜は、
辛味が強すぎて陰分を消耗するので、このタイプには不向きです。
♥陰虚改善の心得
①体に潤いを与える自然の「甘味」「酸味」や、「平性」「涼性」の食材を使う。
②「松の実」、「黒ごま」、「白ごま」、「白きくらげ」などを常備して、積極的に料理に使う。
③冷たい飲み物より、温かい飲み物を飲む。
④香辛料の強い料理、辛すぎる食べ物は避ける
⑤ときには、「スッポン」、「アワビ」、「鴨肉」の料理を食べて「陰」を養って体を潤す。