漢方薬と痔
「痔」というと、腫れや痛み、出血という症状から、坐薬や軟膏などの外用薬を思い浮かべられる方は多いと思いますが、
外傷やケガと違って、「痔」はあくまでカラダの中の問題が原因で発生します。
坐薬や軟膏などの外用薬は一時的な効果は期待できますが、根本的な解決にはつながりません。
「痔」でお悩みの方は是非一度、漢方薬による治療をお考えください。
■痔の原因と症状
痔は日本人に多い病気で、主なものに痔核(いぼ痔)、切れ痔、痔ろうがあり、これで全体の9割くらいです。
その中でも、特に多く見られる痔核は、血液循環が悪くなるのが主な原因です。
肛門の周りの静脈がうっ血し、イボのように腫れるもので、内痔核、外痔核、脱肛があります。
内痔核は出血はあるが痛みが少なく、外痔核は出血がかく痛みが強いのが特徴です。
■痔を治すために
漢方では、痔の根本原因は全身的な血行不良(=瘀血)であると考えます。
これを助長するのが精神的なストレスやアルコール、たばこ、過労、睡眠不足などからくる肝臓の疲れとうっ血、それに冷えや運動不足とされています。
痔の養生法に関しては、胃腸の調子を整え、便秘や下痢をしないようにすることが、まずは最重要課題となります。
痔の部位に対して物理的な刺激(便秘)や消化液などの化学的な刺激(下痢)だけではなく、便通の異常は全身の血流に悪影響を与えます。